盲目の天使
一瞬、部屋の中が静寂に包まれる。
「実は、このお手紙をカルレイン様に届けてもらいたいのですが、
お願いできますか?」
今度は柔らかい口調で、リリティスが静寂を破った。
「あぁ。かまわんが」
どうも、想像以上に、はねっかえりの姫らしい。
・・カルレイン様が、気に入った姫、か。
オルメが、オークリーを睨みつけながら、その手紙を渡すと、
彼は、ごつごつと荒れた手でそれを受け取った。
「あの、それともう一つ。
ジルにお礼を言うことは、できませんか?」
「リリティス様!」
今度は、ルシルが声を上げた。
まるで、悲鳴のような、金切り声。