盲目の天使
それから数日たった頃、タザトットの鉱山では、不眠不休での復旧作業が行われていた。
崩れた岩盤を少しずつ掘り起こし、柱を立てて少しずつ穴を広げる。
「どうだ、進み具合は」
「はい、落盤自体はおさまったようですが、
慎重に穴を掘り進めているのでなかなか思ったほどには、進んでおりません」
「そうか。けが人はどうだ?」
「重症だったもので状態が悪化したものが一人いるとか。
行方不明だったものの死体が発見されて、死者の数が増えました」
「わかった。引き続き慎重に作業を続けろ」
「はっ!」
ふぅ~、と大きなため息をついて、カルレインは、左手でまぶたの上をもみほぐした。