盲目の天使

それから数日たった頃、タザトットの鉱山では、不眠不休での復旧作業が行われていた。

崩れた岩盤を少しずつ掘り起こし、柱を立てて少しずつ穴を広げる。


「どうだ、進み具合は」


「はい、落盤自体はおさまったようですが、

慎重に穴を掘り進めているのでなかなか思ったほどには、進んでおりません」


「そうか。けが人はどうだ?」


「重症だったもので状態が悪化したものが一人いるとか。

行方不明だったものの死体が発見されて、死者の数が増えました」


「わかった。引き続き慎重に作業を続けろ」


「はっ!」


ふぅ~、と大きなため息をついて、カルレインは、左手でまぶたの上をもみほぐした。





< 172 / 486 >

この作品をシェア

pagetop