盲目の天使
「ごめんなさいね、ルシル。さっきあなたが用事を済ませている間に、オルメが手紙を届けてくれたの。
カルレイン様はすでに、タザトットを出立なさったそうよ」
「良かったですね、リリティス様!」
ルシルは屈託なく笑った。
「あなたこそ、良かったのではなくて?
マーズレンも一緒に帰ってきますよ」
オルメの言葉にルシルは真っ赤になった。
「知らなかったわ。ルシルはマーズレンが好きなの?」
「ど、どどどうして、そんなこと」
動揺するルシルの態度は、リリティスの質問に肯定したも同然だった。