盲目の天使
二人の掛け合いに、リリティスはおかしくなって、口を押さえて笑い出した。
「フフフフ・・」
「もう!リリティス様ぁ。笑い事ではありません」
「ごめんなさい、ルシル。でも、おかしくて・・・」
くすくすと笑うリリティスの声が、あたりに響く。
その音に誘われるように、一人の青年が姿を現した。
「ずいぶんと楽しそうですね。私も一緒に休憩してもかまいませんか?」
「シオン様・・・」
アルシオンは、初めてリリティスと会って以来、時々ふらっと現れては、
リリティスとおしゃべりをしたり、さまざまな贈り物をしたりしていた。
今では、リリティスやルシルともずいぶんうちとけていた。
ただ一人、カルレインとアルシオンの微妙な関係を知っているオルメだけは、
アルシオンに対して距離を置き、事務的に接していた。