盲目の天使
「シオン様?」
アルシオンの様子がいつもと違うのに気づいて、リリティスはどうしていいかわからなかった。
ただ、自分の感じている気持ちを正直に話した。
「私は、カルレイン様もアルシオン様も、同じようにすばらしい方だと思っています。
それに、私のように敗れた国の者にもやさしく接していただいて、
アルシオン様には、本当に感謝しております」
リリティスのやさしい声音は、アルシオンの心にすっと染み入った。