盲目の天使

豪華な部屋に、たくさんの侍女をはべらせ、王妃ソレイユは昼の食事をしていた。

目の前には、気乗りしなそうに食事をしている息子アルシオンがいる。


「シオン。もう少したくさん食べて、鍛えなくては。

お前は、カルレインに比べて華奢です。強くなくては、次代の王にふさわしくありませんよ」


ソレイユは、アルシオンの前にたくさんの肉料理を並べて食べるよう促した。


「母上。それよりもお話というのは何です。

私は食事ではなく、母上の話しを聞きにきたのです」


昨日、リリティスをカルレインに奪われるように連れて行かれて、

アルシオンは気になって仕方なかった。

朝早くにリリティスの部屋を訪れると、侍女からはまだ眠っているとのそっけない返事が返ってきた。



< 196 / 486 >

この作品をシェア

pagetop