盲目の天使
豪華な部屋に、たくさんの侍女をはべらせ、王妃ソレイユは昼の食事をしていた。
目の前には、気乗りしなそうに食事をしている息子アルシオンがいる。
「シオン。もう少したくさん食べて、鍛えなくては。
お前は、カルレインに比べて華奢です。強くなくては、次代の王にふさわしくありませんよ」
ソレイユは、アルシオンの前にたくさんの肉料理を並べて食べるよう促した。
「母上。それよりもお話というのは何です。
私は食事ではなく、母上の話しを聞きにきたのです」
昨日、リリティスをカルレインに奪われるように連れて行かれて、
アルシオンは気になって仕方なかった。
朝早くにリリティスの部屋を訪れると、侍女からはまだ眠っているとのそっけない返事が返ってきた。