盲目の天使
宴が催されることが決まって数日後、その噂は城の内外にあっという間に広まった。
「お聞きになりましたか?
来週宴が催されるそうですよ」
ルシルは、布に刺繍をしながら、リリティスに話しかけた。
カルレインとリリティスが、再びお互いの気持ちを確かめ合って以来、
ルシルは、リリティスの中で、重要な位置を占めるようになっていた。
もともと、たった一人のカナン出身の侍女として、ルシルを頼りにしていたが、
今では親友と言えるくらいに、心を許していた。