盲目の天使
窓から差し込む光が、リリティスの髪に反射して、きらきらと輝いている。
「リリティス・・・」
オルメの小言にめげず、強引にリリティスの前にやってきたカルレインは、
その、美しいドレス姿に、思わず息を呑んだ。
リリティスは、薄紫と白を基調とした、清楚なドレスに身を包んでいた。
それは、カルレインが宴の席に着てもらおうと、リリティスのために購入したものだった。
オルメに命じて、リリティスに合わせてみる様、さっき手渡したばかりだ。
扉の外で、我慢していたが、いっこうに自分を呼びに来る気配がない。
裾の長さが少し長かったので、調節しているところに、
待ちきれないカルレインが、入ってきたらしい。
「まったく!
女性が、ドレスを試着しているところに入ってくるなんて、言語道断です!」
オルメは、強い口調で、カルレインをぎろりと睨んだ。