盲目の天使
「すばらしい衣装のあかげです。ありがとうございます」
リリティスは、そう言うと柔らかく微笑んだ。
見慣れたリリティスの笑みなのに、
カルレインの心臓は、どうしようもないくらい高まってしまう。
「リリティス。
一緒に・・・・、少し散歩をしないか」
「本当ですか?」
リリティスは、嬉しそうに大きな声を出した。
リリティスの喜びが伝わって、カルレインは、ますます気持ちが高ぶる。
・・俺は、何を小さな子供みたいに。
戦場で、恐れぬ者はない自分が、一人の少女の態度に、はしゃいでいるのが妙に気恥ずかしくて、
カルレインは、崩れそうになる相好を、なんとか押さえ、平静を取り繕った。