盲目の天使


ふぅ~。



カルレインがいなくなった部屋は、急にしんとして、

リリティスは、自分のついたため息がやけに大きく聞こえた気がした。



とりあえず、着替えなくては。



着ている服を脱ぐと、手探りで、袖を通す。

胸元の布がきちんと合わさっているのを確認して、腰紐を回し、結んだ。



こんな感じかしら。



自分の体のあちこちを触ってみる。

違和感はなさそうだが、腰紐の左右の長さの均衡がうまくとれない。

何度も巻きなおして、やっと着替え終わる。

脱いだものをたたんで、寝台に座ると、疲れがどっと押し寄せた。



ただ着替えることが、こんなにも大変だったなんて。






























< 27 / 486 >

この作品をシェア

pagetop