盲目の天使
リリティスが捕らえられてすでに3日。
カルレインは、ほとんど眠ることもせず、首飾りを売った行商人の男を探していた。
夕方になり、日が暮れてくると、商いをしていたものは店じまいをはじめる。
「カルレイン様。そろそろもどりましょう」
マーズレンは、たった3日で、げっそりとやつれた主を見て、胸を痛めていた。
「くそっ!あの露天商め。あんなふざけた首飾りを売りつけて!」
カルレインが、地面を蹴りつけると、近くにあった小石が木に当たって跳ね返った。