盲目の天使
「リリティス姫。ごきげんはいかがかな?」
「その声は・・プロン王でいらっしゃいますか?」
リリティスは、息をのんだ。
まさか、王、自らが、罪人である自分に会いに来るはずがない。
しかし、プロンは、躊躇することなく牢の鍵を開けると、
リリティスの方へと、歩み寄る。
「あ、あの、どのような御用事でいらっしゃったのですか?」
リリティスは、嫌な予感がして、急いでベッドから降りて立ち上がった。
「いや、なに。
目の見えない姫君が、一人で不自由な思いをしているのではないかと、心配でな」
王の猫なで声に、ある種の嫌悪感を感じて、リリティスは、総毛立った。