盲目の天使
「では、あの首飾りを、どうやって手に入れた?
それが分かれば、姫の無実が証明できるかも知れんな」
「それは・・・」
リリティスは、言うべきか迷った。
カルレインにもらったものだと言えば、
疑いの目が、カルレインに及んでしまうかもしれない。
「言えないような話なのかな?」
プロンは、ほんの少し椅子をずらして、リリティスとの間を詰めた。
・・カルレインが与えたものだということは、調べ済みだがな。
プロンは、兵士の調べで、首飾りは、カルレインが町で買ったものだと知っていた。
行商人を捕まえて、カルレインに首飾りを売ったことを、証明させようと思ったが、
どうしてもその行商人が捕まらず、リリティスを証人にしようと考えていた。
さて、この姫が、一体どうするのか。
プロンの、卑しい笑い顔が、再び姿を出した月に照らされ、半分だけ明るく輝いた。