盲目の天使
なんとかして、カルレインを救わなければ。
リリティスの、そんな想いをあざ笑うかのように、ソレイユが、しとやかに話始めた。
「私、血が繋がらなくても、息子であるカルレイン王子を救いたくて、
必死に、ここまで来たのです。
あなたに、助けていただきたくて」
助けられるものなら、躊躇することなど、何一つあろうはずがない。
「カルレイン様を、助けられるのですか?
どうすればよいのですか?
私にできることなら、
なんでもいたします!!」
リリティスは、大粒の涙をながして、ソレイユの足元に、すがりついた。
ふん、最初からそうやって、私の足元にひざまずいていれば良かったものを!
ソレイユは、冷たい目でリリティスを睨むと、
表情を和らげて、彼女の傍にかがみこんだ。
「あなたでなくては、できないことですわ。
これを差し上げます」
ソレイユは、小さな指輪を、リリティスに差し出した。