盲目の天使
「私は、あなたのことが嫌いなわけではないのです。
でも、こうしないとカルレイン王子は死に、
あなたも、侍女も、あなたの国も、
全て滅んでしまいます。
私の言っていることが、おわかりですね?
リリティス王女」
リリティスは、機械的に、こくんと頷いた。
「私が死んだ後、カナンの民や、侍女たちに危害が及ばぬよう、
王に、お口ぞえいただけますか?」
「ええ!もちろんですとも!」
ソレイユは、大げさに声を上げて、リリティスの様子を観察した。
「わかりました」
リリティスは、はっきりそう言うと、ソレイユにひざまずき、頭を下げた。
「よろしく、お願いいたします」