盲目の天使

そのほんのわずかな変化を、カルレインは、見逃さなかった。



王妃は、何か知っている・・・?



「ご存知のようですね。

その商人が今どこにいるか、教えていただけませんか?」


慎重に、王妃の様子をうかがう。


「知らぬ」


「アルシオンが、髪飾りを買った商人ですよ」


はっと、ソレイユの顔色が変わった。


「知らぬと言っている!!」


ソレイユは、吐き捨てるように言うと、乱暴に戸を開けて、姿を消した。



アルシオンの話に、動揺した?



カルレインは、ソレイユがこの件に関与していると、確信を持った。


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