盲目の天使
ソレイユを疑い始めたカルレインは、それまでの調査の方針を変更し、
王妃の周囲を中心に調べ始めた。
その結果、王妃が密かにチトの実を購入し、
ベリカムという商人も、何度も、城へよんでいたことが分かった。
そして、ベリカムは、事件のあった宴の日以来、姿を消してしまったということも。
王妃の仕業に、間違いない--。
カルレインの確信は深まったが、その証拠はどこにもなかった。
チトの実は、ノルバス国の王妃であれば、手に入れた言い訳は、色々と思いつく。
自分付きの兵士に渡してあるとか、万一のときの服毒用、
ねずみなどの害虫を駆除するため、などなど。
王妃という地位にいるからには、絶対の動かぬ証拠を、手に入れなければならない。