盲目の天使

王に許可をもらうことはできるが、それが許されるとは、到底思えなかった。

もし許されたとしても、当然、見張りが付くだろう。


髪飾りを探し出し、こっそり持ち出すのは難しいように思える。

調査官に事情を説明しても、その中に王妃の側についている人間がいれば、

逆に、証拠を隠滅されかねない。



くそっ!

あの王妃の仕業に、間違いないのに!!



カルレインは、部屋の壁に、こぶしを打ちつけた。


「カルレイン様。必ず証拠は見つかります。

あきらめずに、方法を探しましょう」


マーズレンは、自らの焦りを悟られないように、穏やかな声でカルレインを励ました。



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