盲目の天使

見ていたのなら、ご存知でしょうが、と言いながら、

コウガイは、ソレイユを睨みつけた。


敵兵も、震え上がる、一睨み。


「リリティス様は、なぜ毒を飲んだのです?

そもそも、その毒を、一体どこから手に入れたのでしょうな」


コウガイの探るような言葉に、ソレイユは、眉を跳ね上げた。


「私が、飲ませたとでも言うつもりなの!

大方、カルレインが王を殺したのを見て、

恐ろしくなって死のうとしたのでしょうよ!


ほら、そこに指輪があるわ。

その中に、毒を隠してたんじゃないの?」


ソレイユの言葉に、カルレインとコウガイが、一斉に指輪を見た。

それは、散ってしまった花びらと共に、リリティスのわきに、そっと置かれていた。




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