盲目の天使
抱き起こし、首を支えて、蒼白なリリティスの顔を持ち上げる。
「リリティス!これを飲むんだ!」
カルレインは、リリティスの口に、無理やり水を含ませたが、
全て、口の端から零れ落ちた。
くそっ!!
さっきは、ちゃんと水を飲んだのに!
カルレインは、毒消しを溶かした水を、自分の口に含むと、
そのまま、リリティスに口付ける。
頼む、飲んでくれ!!
「ん・・・」
親指の腹で、リリティスの喉を触ると、小さなうめき声がして、
反射的に、ごくん、とリリティスの喉が、動いた。
よし!
カルレインが、何度も口移しで毒消しを飲ませていると、遅れて医師が到着した。
塔への階段がかなりこたえたらしく、ぜぃぜぃと肩で息をしている。
そして、その後ろには--、
騒ぎを聞きつけた、アルシオンの姿があった。