盲目の天使
ソレイユは、アルシオンの前に跪き、頭を下げた。
作りこまれた、隙のない、笑顔。
「ご即位おめでとうございます。
アルシオン王。
では、さっそく、王として、初めてのご命令を」
ソレイユは、今にも大笑いしたいのを堪えて、アルシオンを見上げた。
・・勝った!
やはり、最後には、自分が勝つのだ。
目の前にいるのは、自分に面差しの似た、かわいい息子。
「・・・・」
アルシオンは、唇をかんで、無言のまま肩を震わせている。
「シオン?」
ソレイユだけでなく、皆が、アルシオンの様子がおかしいことに気づいた。
「アルシオン?」
カルレインの声に、アルシオンは、さっと顔を上げると、毅然とした態度で命令した。
「王妃ソレイユを、プロン王殺害の容疑者として捕らえよ!
これは・・・、
王命だ!!」