盲目の天使

ソレイユは、アルシオンの前に跪き、頭を下げた。

作りこまれた、隙のない、笑顔。


「ご即位おめでとうございます。

アルシオン王。

では、さっそく、王として、初めてのご命令を」


ソレイユは、今にも大笑いしたいのを堪えて、アルシオンを見上げた。



・・勝った!



やはり、最後には、自分が勝つのだ。

目の前にいるのは、自分に面差しの似た、かわいい息子。


「・・・・」


アルシオンは、唇をかんで、無言のまま肩を震わせている。


「シオン?」


ソレイユだけでなく、皆が、アルシオンの様子がおかしいことに気づいた。


「アルシオン?」


カルレインの声に、アルシオンは、さっと顔を上げると、毅然とした態度で命令した。




「王妃ソレイユを、プロン王殺害の容疑者として捕らえよ!

これは・・・、



王命だ!!」



< 358 / 486 >

この作品をシェア

pagetop