盲目の天使

リリティスの胸は、息をするたびに上下していて、ただ眠っているだけのように思える。


だが、カルレインは、自分が眠っている間に、

リリティスが死んでしまうのではないかと思って、眠れずにいた。



リリティス・・・頼む。

もう一度、俺を見て、笑ってくれ。



カルレインが、手の甲でリリティスの頬に触れると、

そこから、うっすらと体温を感じる。


いつもより冷たいリリティスの頬は、まるで人形のように色がなく、

呼吸をしているのを確認しないと、

カルレインは、不安で仕方がなかった--。




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