盲目の天使
男は、必死に動こうともがいて、やっとのことで起き上がった。
悪戦苦闘したものの、数歩、歩いただけで激痛がはしり、それ以上は歩けそうもない。
・・だめか。
カナン国とは、友好状態にあるが、
俺が、ノルバス国の王子だと知られれば厄介なことになる。
ノルバス国の第一王子、カルレインは、ため息をついて、その場にしゃがみこんだ。
そのまま目を閉じると、睡魔が襲ってくる。
何もかもがどうでもよくなり、カルレインは、意識を手放した。