盲目の天使

カルレインが、次に目覚めたとき、目の前に、あの少年がいた。

なにやらたくさんの荷物を抱えて、自分の前に座っている。



・・もう、戻ってきたのか。



カルレインは、少年の後ろに大勢の大人がいるのだと思って、辺りをうかがったが。



誰もいない・・・?



「おい、誰か連れてきたのか?」


「いいえ」


「俺が怖いのだろう?なぜ一人で戻ってきた?」


「・・・怪我、痛くないですか?」


少年は、まるで自分が怪我をしたように、大きな瞳に涙を浮かべている。




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