盲目の天使
それからというもの、
少年は、日に一度は、カルレインのいる場所を訪れて、食料などを置いていった。
カルレインの傷も、少しずつ癒え、だいぶ動けるようになっていた。
「お前は、なぜ俺を助ける?」
カルレインは、帰る前にどうしても、一度少年に聞いてみたかった。
「なぜと言われても・・・。
怪我をしている人がいれば、助けるのが普通だと思います」
少年は、困ったように首をかしげた。
「なら、どうして大人を呼ばなかった?」
「あなたが、嫌がったからです」
「俺が、怖くはないのか?
俺の父や、義母や弟は、俺が怖くて、死んでほしいと願っているぞ」
カルレインは、自嘲気味に笑みを浮かべた。