盲目の天使

それからというもの、

少年は、日に一度は、カルレインのいる場所を訪れて、食料などを置いていった。

カルレインの傷も、少しずつ癒え、だいぶ動けるようになっていた。


「お前は、なぜ俺を助ける?」


カルレインは、帰る前にどうしても、一度少年に聞いてみたかった。


「なぜと言われても・・・。

怪我をしている人がいれば、助けるのが普通だと思います」


少年は、困ったように首をかしげた。


「なら、どうして大人を呼ばなかった?」


「あなたが、嫌がったからです」


「俺が、怖くはないのか?

俺の父や、義母や弟は、俺が怖くて、死んでほしいと願っているぞ」


カルレインは、自嘲気味に笑みを浮かべた。



< 375 / 486 >

この作品をシェア

pagetop