盲目の天使

親兄弟に、死んでほしいと思われている、などと言えば、

少年は、驚いて自分を怖がるに違いない、


そんな風に思って、自虐的につむいだカルレインの言葉に、

意外にも、少年は冷静に応じた。


「それはきっと、あなたが、その人たちのことを怖がっているからです。

私も最初、あなたを怖いと思いました。


でも、それは、あなたが私を怖がっていたからです。

今は、あなたを怖いと思いません。


あなたが、私のことを怖がっていませんから」


少年はにっこり笑うと、そのまま森の中を駆けていった。





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