盲目の天使
一人残された森の中で、カルレインは、少年の言葉を頭の中に刻んだ。
・・・俺が、怖がっているから、か。
愛する母の死、以来、
必要以上に、人を近づけまいとしてきた自分の心を、見透かされたようで、
カルレインは、しばらく、そのまま立ちつくしていた。
・・まだ、間に合うのだろうか。
城の中では、王位を巡り、沢山の思惑が入り乱れている。
そのことに嫌気がさし、一度は、離れようと思った祖国。
カルレインは、その恐ろしい巣窟へ、もう一度、戻ることを決意した。