盲目の天使



なんだ?

何かが、おかしい・・。



リリティスの澄んだ瞳は、大きく開いていて、自分をじっと見つめている。


そう、


見つめているのだ--。



「リリティス!

お前、目が見えているのか!」


自分の瞳を、じっと捕らえるリリティスの瞳とは、しっかりと視線が重なっており、

リリティスの目が見えているのに、違いなかった。


カルレインは、驚きと喜びで、まさに“歓喜の声”を上げる。


だが、次の瞬間、

カルレインの声は、悲痛な叫びへと変化した。



「あなたは、どなたですか?」






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