盲目の天使
え、うそでしょう?
子供のように、膝に抱きかかえられ、
リリティスは、カルレインと目を合わせないように、横を向いた。
心臓は、もはや破裂寸前の勢いで、打ち付け、体が沸騰したように、熱くなるのを感じる。
「リリティス。気分はどうだ?
目の具合は・・・・。昨日と同じように見えるのか?」
カルレインの不安そうな声。
リリティスは、はっとして、カルレインを見た。
「はい。
昨日よりもずっと体が軽いです。目も見えているし・・。
光を直視すると、目が少し痛みますが、大丈夫です」
リリティスの元気そうな様子に、カルレインは、ほっと胸をなでおろした。
とりあえずの山場は、無事、越したらしい。
・・あとは、記憶の問題だけか。