盲目の天使
「は、はい。
リリティスは私です」
・・誰?
とても、魅力的な声をしているわ。
声の主は、床に転がった杖とともに、リリティスを抱き上げると、
ベッドの上に、やさしく座らせた。
「あ、ありがとう・・ございます」
その男性は、ベッドの横に杖を立てかけると、リリティスの隣に座った。
「あの・・、失礼ですが・・あなたはどなたでしょうか?
今朝は、城の様子がおかしくて、侍女もいないようなのですが、何かご存知ですか?」
普段、男性と接することに慣れていないリリティスは、緊張して、うわずった声を出した。