盲目の天使
少女は、寝台に横になり、隣に座る父を見つめる。
「ねぇ、おとうさま!
かなんには、てんしがいるんだって!
あとうさまは みたことある?」
「あぁ。
父さんは、銀色の髪をした盲目の天使に、会ったことがあるぞ」
「ほんと?
あたしも いつか あえるかな?」
「あぁ、きっと会えるさ。
お前が大きくなったら、お前を守ってくれる、お前だけの天使が、
きっと、お前を迎えに来てくれる」
男が娘の頬に口付けを落とすと、
少女は、にっこり笑って、すやすやと夢の中に入っていった--。