盲目の天使

「俺の名は、カルレイン。

侍女がいないのは、お前を置いて逃げ出したからだ。

侍女だけではない。この城には、お前以外、カナン国の人間はいない。」


「え?」


私を置いて、逃げ出した?
なんのために?


カルレインと名乗る男の言葉が理解できず、リリティスは、きれいな形の眉をひそめた。



カルレイン・・どこかで聞いたことがある名前だわ。



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