盲目の天使
吸い込まれそうな、澄んだ蒼い瞳。
だが、その瞳は、光を映さない。
美しい?私が?
いいえ、きっと、何か別のもののことをおっしゃっているのね。
目の見えない私が美しいわけがないわ。
「リリティス。一度しか言わないからよく聞け」
やさしい手のぬくもりとは違う、鋭利な刃物のような声音に、リリティスはぎくりと身震いした。
「は、はい。なんでしょう」
「選択肢は二つだ。
俺のものとなって、共にノルバス国へ来るか、
俺を拒んで、カナン国を灰とかすか、
・・選べ!」