盲目の天使
太陽はすでに高い位置にあり、城の中では、大勢の人間が仕事をしている。
活気あふれる城の中で、いまだ、静けさを保っている場所があった。
「う・・ん」
あぁ、よく眠ったわ。まだ誰も起こしに来ないけれど、どれくらい寝ていたのかしら。
リリティスは、伸びをすると、ベッドから降りて、手探りで杖を探した。
「おはようございます。リリティス様」
気配を察知して、部屋の脇に控えていたオルメが姿を現す。
「おはようございます。その声は・・、オルメさんですよね?」
「はい。どうぞ、オルメとおよび捨てくださいませ。お着替えが済みましたら、食事をお運びいたします」
オルメの言葉に、何人かの侍女がリリティスの着替えを持って現れた。
「おはようございます。お着替えをお手伝いしますね」
「ルシル!よろしくお願いします。あ、でも・・・」
リリティスは言いよどんだ。