詩的物語〜君は恋してる〜
「こいつが俺の友達の、東島 清司」

 三鷹くんに紹介された黒髪の男の子は、本を読んでいるせいで顔は見えなかった。
けど、どこか大人しい感じの人だと思った。

「で、せ〜じ。この子が俺の木藤 結菜ちゃん。で、こっちの子が瀬倉奈々ちゃん」

 三鷹くんの紹介を聞いて、今まで本を読んでいた彼が顔をあげる。

「「え…?」」

少し唖然とする結菜に三鷹くん。

「…」

固まってしまう私。

「東島くん?…どないしたん?」

いまだに開いた口が塞がらない状態の三鷹くんが東島くんに聞く。

私たちが固まった理由。

それは…

「…なんで泣いてるん?」

そう。
三鷹くんの言うとおり、彼は泣いていた。



静かに涙を流す彼。

ふと目が合ったきがした。

黒くて綺麗な瞳。

そこに溜まる透明な涙。

それが綺麗だと思ってしまった私。


とても衝撃的な出会いでした。




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