花 火








 あのあと泣き疲れたらしく
 眠ってしまった。





 時計を見ると
 もう7時を回っていて
 外は真っ暗だった。











 「帰らなきゃ」










 急いで帰ろうと
 席を立つと、
 窓際だった達也の席から
 たくさんの綺麗な星が
 見えた。









 「…あ」










 しばらく見とれていると
 一瞬だったけど
 流れ星がながれた。










 流れ星に3回願い事を
 言うと、願い事が叶うと
 言う事がある。


 駄目もとだとわかってても

 「達也に会いたい」
 ただ一言呟いた。










 そのとき、ふわっと
 優しい夜の冷たい風が
 ふいた。










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