最愛
病院についてよしひろサンと待ち合わせした。

よしひろさんを見ただけでなんか泣けてきた。
よしひろさんには今までお世話になってきたし,アキヒロとケンカした度によしひろサンに相談してアキヒロと付き合ってこれたのもよしひろサンのお陰。二人の幸せを一番に考えてくれた。
なのに申し訳なくて泣けてきた。

『どうしたの』

『別れてからも迷惑かけてごめんなさい。本当申し訳ないです…』
『あ---そゆのナシナシぢゃ行くよ』
『はい…』

病院に入って病院の独特な匂いにさらに緊張した。
『ここだよ入るよ』個室らしき部屋の前でよしひろさんがそう言った。
『うん…あたしトイレ言ってくる。』
『だーめとりあえず会ってから行きなさい』

『うん。でも…やぱ怖い』『りさチャン何しにきたのアイツに会うためでしょアイツに会いにきたんでしょ』
とキレ口調で言われ怖くなってつい
『はいそうです入ります』
『大丈夫だから。』
そい言ってノックして入った。

そこには酸素マスクしたアキヒロがいた。
ゲッソリ痩せたアキヒロがいた。
頬がやせ痩けていた。

『よりさチャンつれてきたよ--』

アキヒロはあたしを見ようとしなかった。

やぱ怖い。シカトしてその場が静まってしまった。

『あっ俺ちょっと電話きたから喋ってくる』
といって思い出したかのようによしひろ君は出ていってしまった。

私は追いかけた。

アキヒロに聞こえないように『いやいやいや…電話とか嘘でしょまぢ無理だって…』

『すぐ戻ってくるから。戻って頑張れちゃんと話合って』
と言ってドアを閉められた。

アキヒロと二人きりの部屋。
私はベッドに向かって
話かけた。
何話していいか分からずとりあえず
『ごめんね来ちゃって。』

『…。』

沈黙。
< 36 / 44 >

この作品をシェア

pagetop