Bitter
先生が私の気持ちに応えてまで求めてくれる時なんて、訪れるのだろうか。
私を愛するなんて
文子さん以外の人を好きになるなんて
ありえないのでは?
迷い始めた途端恐ろしくてたまらなくなる。
手足が小刻みに震えだし、目を開いたまま頭を抱えた。
どうしよう
私がしたことは本当に正しい?
私が文子さんの代わりとしてそばにいたほうが、
私も高瀬も幸せ・・?
どうしよう
どうしたらいい?
どうしよう
戻る?
戻れる?
取り返せる?
やり直すなら今?
どうしよう
どうしよう
どうしよう…!
『…麗ちゃん?』
顔を上げると、そこにいたのは藤田先生とカナだった。
『ちょ・・・え、どうしたの?この時間はまだあいつと一緒じゃ…?』
涙目の私に、二人は動揺している。
『大丈夫かよ?とにかく今嘉人呼んでくるからさ。』
その時、震えがとまった。