Bitter
『・・カナ・・うぅ・・こんなパパを許してくれるかい・・?』
『なに…いって……私は怒ってないよ、だからパパ、もう・・』
『こんなパパを慰めてくれるかい…?!』
父親は、覆いかぶさりカナのブラウスを破いた。
『・・え?』
目の前の男が、何をしているのかしばらく理解できなかった。
『カナ・・カナ・・・』
『や・・やあああぁ!!!!』
感じたことも無い程の嫌悪感だった。
体を離そうとしても、男の力にはかなわない。
昔からカナを宝物だと言って育ててくれた。
嫌いなものを食べないとしかり、逆上がりが出来たら抱きしめてくれた。
その父親が、今、何を・・。
脳裏に琢磨の顔がよぎる。
『お願い、いやだいやだ!やめて、・・・・やめて!!!』
−パン!−
服を剥ぎ取ろうとする父親の頬を思い切り叩いた。
彼の手が止まる。
恐る恐るみた顔は、今までと比較にならないほど残酷なものだった。
その目に、カナは映っていなかった。
無言で、容赦なく拳が振り下ろされた。
鈍い音が頭に響く。
彼女の綺麗な頬が赤く染まる。
次々に降りかかる拳にただやられるだけのカナは、まるで人形だった。