Bitter
生まれたままの姿でしばらく見つめあう。
湯気で視界がぼんやりする。
私の世界は高瀬だけだった。
彼の瞳の中の海で、一生溺れていたい。
その瞳に吸い込まれ、いっそのこと彼になってしまいたい。
高瀬は視線を外さないままシャツのボタンを外し、脱ぐと私にかぶせ、
再び身体を持ち上げた。
私の髪から垂れる水滴が彼の頬を濡らす。
私は自分の唇を高瀬の唇にくっつけた。
そのままベッドに倒れこむと、彼はまたぎゅっと私を抱きしめた。
私は、首筋や、頬、耳、鼻など、動ける範囲でキスをした。
高瀬・・
高瀬・・
高瀬・・・・
ぐるっと向きが変わり、彼が覆いかぶさる体勢になる。
彼の手がどこかにのびる。
身体を侵食される覚悟をしたその時、
目の前が真っ暗になった。