Bitter
『あー…そういうこと、ね。でもさっきも言ったけど私たち恋愛とかそういう感じじゃないもん、そんな理由で離れなくたって…。』


その瞬間、

アコの手から勢いよくボールが飛んだ。


見事に命中し、カナはあまりの衝撃に倒れこむ。


女子の視線が集まる。



『ごっめーん、気合いいれすぎちゃったぁ、痛かったぁ?キャハハッ。』


見下すアコをカナは歯を食いしばって睨む。


『んだよその目。つうかさ、お前がなんと言おうと、うちらのダチがあんたら見るたび不安になることは変わんねぇんだよ。』


『そんなこと言ったって…亮太くんと仲良くなりたいならその子が自分で頑張ればいいでしょ?なんでこんな…ひゃっ!』


今度はマキがボールをうちつけた。

痛々しい音が響いた。


『うざいっつーの。』


ボールは高くバウンドしてから、私の足元へ転がってきた。


みんなが私を見る。




仕方なくそれを拾う。


心臓の音が、体中に響く。




みんなの目が、カナへのさらなる戒めを求めている。



ボールに力をこめる。

手に汗がにじむ。


こんなの間違ってる…くだらない…けど…




・・やるしかない?




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