シンデレラマーメイド
それはある朝のことでした。
「なにが12になると外に出られる、よ!!たしかに12になると大人だけど、外になんか出れないじゃないっ」
「まぁまぁ落ち着いて、アクア」
怒りにもえて美しいヒレを岩に打ち付ける妹を、姉は必死でなだめる。
「もう我慢できないっ!!私知ってるんだから、お――」
「今日も元気に怒ってんな、アクア」
そこに現れたのは世にも美しい男の人魚。
その手と背にはヒレがついている。
「出たな−っ、バカ王子っ!!!!」
「アクア!!すみません、いつもいつも」
慌てて頭を下げる姉に、王子は笑う。