ワガママな弟






「ぁ…」




それがヒロくんに対して失礼な態度だった
という事は
やってしまってから気づいた。



でも…これ以上ヒロくんに対して
何かをしてもらったら
あたしはきっと泣いてしまう。




「ごめ…ッ!!」



顔をあげるとそこにあったのは
少し悲しそうなヒロくんの顔で
あたしは
もうそこにはいられなくて。




冷静にも
‘結華みたい’
って思いながらもドアを
思いっきり閉めて外に出た。





どうしてあたしってこう上手くいかないんだろう。






「…うッ…」




あたしは行き先も分からないまま
走り続けた。



途中で色々な人に
変な目で見られたけど
今はお構いなし。




もうやだ。




何で…



何で…



何でッ!!!!!!!!



「うッ…ふぁ…ひッく…」


あたしは
近くにあった店の壁に寄りかかりながら
泣いた。



自分の弱さと
さっきの出来事を洗い流すように。




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