ワガママな弟





「それから俺は
あの子にいつか会った時
恥ずかしくないようにって
ずっと続けてきたんだ。


まぁ中学んときに辞めちゃったけど。

少なくともそこまでできたのは
ほのかのおかげだ。」



‘おめでとう’
だなんて腐るほど言われてきた。


嬉しいけど
あたしは自分のためにしか
頑張ってないって思うとなんだか
すごくむなしかった。




‘ほのかのおかげ’
だなんて初めて言われた。



あーあたしは今この瞬間の幸せの為に
頑張ってたってそう思えた。




「そっかぁ~何か嬉しいなぁ。


あたしもしかしたらヒロくんの為に
頑張ってたのかも。」




そう半分冗談で言ってヒロくんの顔を
見たらカラオケにいたあたしみたいな
真っ赤な顔になっていた。



「えッ!?

ヒロくん!?」



「…俺、実は駅で会った時から
好きだったんだ。」



はぁ!?


その時なんてまだヒロくんみてなかったけど
そんな事思ってくれてたんだ。






「すぐに分かったんだ。

あの時の女の子だって。



目が一緒だった。」




照れるかも…\\\




「あッ…ありがとう。」



「はい。で返事はどうですか?」



笑いながら聞かれた。




< 62 / 112 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop