ワガママな弟
「自分だけ教えてもらえなかったからって
いじけてんじゃねーよ。餓鬼。」
ガキって漢字で言うなー。
聞こえない。
聞こえない。
あたしはその声が聞こえないように
布団を頭の上からかぶった。
「おいッ!!」
キレたような声と共にあたしは
最後の鎧をはぎとられてしまった。
おかげで
キャミと黒のパンツだけに
なってしまった。
あー顔絶対赤いな。
いくら一緒に住んでても
こんな格好見られる何て終わってる。
冷静だけど
内心すっごい焦ってるあたしには
気付かない、気付かない。
気付かないフリする事最近おおいかもなぁ。
「…何でお前そんな恰好なんだよ。」
いいじゃん、人の勝手でしょ。
勝手に取った廉が悪い。
言わないけど。
「…恥ずかしいから
かけてよ、布団。」
顔を枕に押しつけながら
あたしは一言言った。