恋愛磁石
「今日もラブラブ~♪」
無意識のうちに裕斗の走っていった方向を見つめてしまっていたあたしに、悠里が声をかけてきた。
「やめてよ」
そう軽くため息をついて見せると、「付き合っちゃえばいいのに」とニヤニヤ笑う彼女。
「もう、行こ」
あたしはそう言って振り返ると、香奈と成海に声をかけて昇降口へと向かった。
――いつからだろう。
こんな気持ちになったのは。
曖昧にしか覚えてないけど、もうずっと前から、アイツのことが好きだったと思う。
誰にも話していないから、悠里があんなことを言うのは、ただからかっているだけだろうけど。