恋愛磁石
小さな繋がり
“学校で返すわ”
そう言った彼。
ムダに広い校舎内でよく見かけては、
いつものように「ミライ」と声をかけてくる。
けれど、普通科のクラスに訪れることがなければ、
あたしに傘が戻ってくることもない。
電工の教室の方で、竹本たちと話しているのをよく見るし、
授業中に名指しで先生に怒鳴られてるのが、普通科の教室まで聞こえたりもする。
2学期が始まって1ヶ月。
何も変わらない。
って言ったらウソだけど。
特に気にすることもないまま、
平凡な毎日が過ぎていく。