恋愛磁石
1.
作られた環境
「――未来ってさ、仲良いよね。田崎裕斗と」
午前の授業が終わり、いつもの4人で机を囲み、弁当を食べる。
たまご焼きを口に含んだままのあたしは、
意図のつかめない発言をした成海を黙って見つめた。
「あ。それ思ってた!
あの人、なんか怖くない?軽そうだし…」
成海の言葉に、香奈も頷いてあたしを見る。
「別にフツーだと思うけど…」
たまご焼きを飲み込んだあたしは、そう言って悠里に同意を求める。
「裕斗?別に怖くないよ?
ま、確かにちょっと軽い感じするけどさ」
もぐもぐと口を動かしながら言う悠里に、
あたしも「うん」と頷いた。