恋愛磁石



「ちょっと。香奈や成海にまで手ぇ出さないでよ」



裕斗の肩を軽く叩いて言う。

2人がホッと息をついたのが、なんとなく分かった。



「何だよ。人のことタラシみたいに」



あたしを見た裕斗が、拗ねたように言う。



「何、違うの?」


「ちげーよ」


「はいはい。用がないならもう行って」



あたしの言葉に唇を尖らせていた彼だけど、
またいつものように「またな~。ミライ」なんて言って
意外とアッサリ教室を出て行った。





< 20 / 142 >

この作品をシェア

pagetop