恋愛磁石
「ちょっと。香奈や成海にまで手ぇ出さないでよ」
裕斗の肩を軽く叩いて言う。
2人がホッと息をついたのが、なんとなく分かった。
「何だよ。人のことタラシみたいに」
あたしを見た裕斗が、拗ねたように言う。
「何、違うの?」
「ちげーよ」
「はいはい。用がないならもう行って」
あたしの言葉に唇を尖らせていた彼だけど、
またいつものように「またな~。ミライ」なんて言って
意外とアッサリ教室を出て行った。