恋愛磁石
「髪、染めなくてよかったワケ?」
あたしを見て、悠里が言う。
「別にいいよ。地毛なのに、わざわざ染める意味がわかんない」
「先生や先輩に目ぇつけられたら、どうすんの?」
「もう慣れたし」
そう言って髪に指を通したあたしの隣で、悠里が「そーゆーとこカッコイイよね」と笑っている。
あたしの髪は、茶色い。
もちろん染めてなんかいないけど、ライトブラウンに近い色のこの髪のせいで、いろいろと面倒な思いもしてきた。